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パパは

仕事をしながら
詩織ちゃんの面倒を見て
僕の世話をしながら
僕を引き取ってくれる所を
探してくれていた…
おばあちゃんは犬が苦手のうえ、
孫が犬アレルギーを持っていたとしたら
家で飼ってしまったら
遊びにも
泊まりにも
来てもらえないから
無理だと言った…
職場の人に頼み…
お昼を食べているお店の人…
詩織ちゃんの幼稚園に
張り紙をして…
ママの知り合いに
頼み…
必死に
探してくれていたんだ…
詩織ちゃんが
納得するような…
僕が幸せに
過ごせる所…
そんな中、
ママの退院する日が
決まった…
僕が家を出る日も
自ずと決まった…
入院中のママは…パパに
「ハートは飼ってもらえそう❓」
「何だか考えただけで、心が苦しくなっちゃう…」
…と目を潤ませた。
パパは
そんなママのキモチを考えて
嘘をついた…
「会社の同僚のうちで
飼ってくれることになったから…
家族でハートがいつ来るか
楽しみにしているらしいし…」
「可愛がってもらえるし、うちで
行動を制限されながら暮らすより
間違いなく、幸せだって」
ママは安心した…
この嘘のせいで
後日僕を
本当に引き取りたいと
言ってくれた人たちには
引き取り先が決まったから…と
信じたママによって
断わられてしまっていた…
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