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その日、

おばあちゃんの家から
帰った詩織ちゃんが
泣いて
大変だったのは
言うまでもなかった…
それでもハートは
パパの知り合いの家に
居ることに
なってるから
詩織ちゃんも
また遊べるし
会えると
なだめられ…
明後日ママが
退院することもあり…
詩織ちゃんは
ハートとの
写真を見て
思い出しては
泣きながらも
ベッドについた…
やけに綺麗に
整頓された
静かな居間で
パパは
携帯を開いた…
ママからのメールが
一通入っていた…
幼馴染の真知子さんが
ハートの使っていた
ケージとか一式欲しいと
言っていて
明日、取りに来たいとのこと…
貰ってもらえるなら
うちとしても
助かると
ホッとした…
缶ビールを
飲みながら
庭に出したハートの物を
ベランダのガラス越しに
見ながら…
置き去りにした時の事が
思い出され、
今、どうしているのか
考えると
胸がえぐられるような
感じがした…
出会った事…
過ごした時間…
ついてしまった嘘…
置いてきた事…
全てを後悔していた…
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