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檻の中で…

ここに座ってしまったら
もう外の世界には
戻れない気がして
決して座らなかった…
この中で
眠ってしまったら
ここで暮らしなさい…って
出してもらえない気がして、
眠らなかった…
僕は
叫んだ
僕の声は
彼女に届くはずだから…
きっと救ってくれるはずだから…
保護されて
3日目…
殆ど食べ物も
口にせず
眠ってないのもあり
少し歩こうと
しただけで
足元がふらついた…
この頃になると
叫ぶ気力も
失せてきた…
全てに諦めを
感じ始めた頃
2人の女性が
檻の並んだ
この部屋に入ってきた…
「この子は
飼い犬だったみたいって
首輪に「Hartドキドキ」って
ついてたんだって…」
「Hart❓
君はハートって
言うの…❓」
久々に
名前を呼んでもらった…
挨拶をしたくて
歩こうとしたけど
フラついて
なかなか側まで
行けなかった…
「え❓大丈夫なの❓汗
保護期間の2週間保たなくない❓あせる
「痩せこけてる訳ではないから、
まだ彷徨って日は浅いと
思うけど、預かって
診察だけでもして貰おうか…」
彼女たちは
このままでは
衰弱して
生命の危険が
あると判断し
診察治療を要すると
言うことで
僕を預かる手続きをした…
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