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「ハート❗️ハート❗️❗️」

真っ先に呼びかけたのは
詩織ちゃんだった…
僕はおもちゃを
くわえたまま
急に詩織ちゃんの
声が聞こえたから
振り返る時に
おもちゃが
あり得ない位
遠くまで吹っ飛んだ…
もうそんな事
どうでも良かった…
駆け寄った詩織ちゃんに
走り寄って飛びついた
もう二度と
会えないんだと
思ってた…
「詩織ね
おばあちゃんの家に
居る時
ハートの声が
何回も聞こえたの…
おばあちゃんは
違うから家の中に
入りなさいって
怒るけど
何回も
聞こえたの…」
「会いたかったの…」
舐めた
詩織ちゃんの
ほっぺが
いつまでも涙で
しょっぱかった…
僕は
ママの格好に
一瞬ギョッとしたが
すぐに擦り寄った…
村山さんが
ママに椅子を持ってきてくれた。
抱きつくことは
出来なかったけど
優しく撫でてくれた…
「ごめんねハート。
私のせいで…ごめんね…。」
ママはマスクまで、
涙や鼻水でベチャベチャに
なっていた…
パパは
苦しい位僕を
抱きしめて
「すまなかった。
全て俺が悪かったんだ。
許してくれハート…」
パパの顔は
あんまり舐めたことは
なかったんだけど…
ちょっとだけ舐めた…
僕は真知子さんにも
挨拶をした…
なぜ一緒に居たのか
まだわからなかった…
一通り回って
落ち着いた所で
パパたちは
遅くなったけど
村山さんと挨拶をした…
そして村山さんから
お預かりしていた間の
状態や
病院の事…を聞いた。
通院は
今日で終わった。
真知子さんの
受け入れ態勢が
できているので
このまま真知子さん宅に
移動して
環境を見て
合格ならば、
お約束事やお渡しの
手続きをして
ハートを真知子さんに
託す事になった…
坂本さんは
ぼくの顔を
グチャグチャに撫でながら
「ハートの新居も
そんなに遠くないから
たまにはあえるかな❓」
パパやママ、真知子さんに向かって
「せっかくハートを
とおしてお知り合いに
なれたんだから
これで終わりじゃなくて
また会いましょうね」
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