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真知子さんの家へ

ハートを連れて
坂本さんの車と
パパの車で向かいました。
坂本さんの車には
村山さんとハートも
乗っていた…
くすん…
坂本さん
「は❓」
「へ❓」
「村ちゃん❓まさかだよね❓」
村山さん
「ご、ごめん…
なんだか可愛くて
こんな短かったんだけど
和むっていうか…
聡美も気に入ってて
このまま…なんて少し
考えちゃって…」
坂本さん
「おぃおぃ」
「あ~でもちょっと判るかも…」
「ホント近いわ。
ここのお家みたいだよ」
「ほれ、そんな顔はダメだょ」
「行くょー頼むよー」
気をとりなおして
真知子さんのお宅に…
綺麗に掃除された部屋に
使い慣れたケージ。
中には赤いクッション。
縄のおもちゃ。
毎日使っていた食器…。
ハートは
迷わずケージに入った…
匂いを嗅いで、
とりあえず
オシッコをした…。
赤いクッションの位置を
鼻で少しずらしたら
そこに伏せた…
坂本さん
「自分の居場所だって
わかってるね…」
「お願いがあります」
「村山さんにも時々
会わせてあげてください」
「それから、
これは皆さんの
一番目につく場所に
飾ってください。」
「書類にあるように、
登録、狂犬病の予防接種、
ワクチン、フィラリアも受けて
くださるように
お願いします」
書類と一緒に手渡されたのは
お約束の箇条書きと
犬の十戒だった。
真知子さんは
居間のテレビの上の壁に
並べて貼った…
ハートは
真知子さんの隣に
座り直した…
ママ
「ハートは
まっちゃんが
新しい家族なんだって
わかってるんだね…」
お渡しの
手続きも済ませ
坂本さんと村山さんと
詩織ちゃん一家も
ハートに
また会う約束をして、
真知子さんの家を出た…
パパ
「坂本さん、村山さん
本当にありがとうございました。
こうしてまた会えたのも
あなた方のおかげです。
なんとお礼を言ったら良いか…」
坂本さんが
微笑みながら…
「これからは
みんなでハートを
見守りましょうね」
「再会できて良かったです。」
「私たちも安心して、素晴らしく
達成感を感じてます」
坂本さんと村山さんも
詩織ちゃん一家と
また会う約束をして
別れました。
村山さんが
家に帰ると
聡美ちゃんが
帰ってきていた…
「ハートは❓」
「家族が決まって
今、連れて行って
お別れしてきたょ…」
「あ~何回経験しても
お別れはつらいわ~」
聡美ちゃん
「ならやめればいいじゃん。
ハートだって家で
飼えばよかったのに…
バッカみたい」
聡美ちゃんも
ハートが大好きだったんだ…
村山さんは
涙を拭いながら…
「ハートは可愛いし、
飼えばよかったのかもしれないけれど、
家でハートを飼ってしまえば
救える命が減ってしまうでしょ」
「一匹でも多くの命を守って
幸せになって貰いたいの」
「小さな命の出会いのかけらを
繋いでいくの…」
聡美ちゃん
「ふ~ん」ニャリ
村山さん
「なにょ❓ふーんって…❓」
聡美ちゃん
「初めてお母さんが
カッコよく見えた」
村山さん
「バッカ…」
この親子も
ハートとの出会いで
かけらが繋がったんだね。
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